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2012年ホームカミングデイ「見えない世界が見える場所!? ~触れて感じる! ポケットミュージアム~」

イベント概要


  • 実施日:2012年10月20日
  • 会場:名古屋大学東山キャンパス豊田講堂前
  • 参加スタッフ:7名
 10月20日に行われた名古屋大学ホームカミングデイにて、「見えない世界が見える場所!? ~触れて感じる! ポケットミュージアム~」というイベントを開催しました。今回は、身近な光が見せるさまざまな表情に着目し、驚きと学びを持ち帰っていただけるイベントを目指しました。
 
当日の様子
 
当日は幸運にも晴天に恵まれました。お子さんからご年配まで、100名以上の方が訪れて下さいました!
 

虹の縁には何がある? 身近な光を大分解!


こちらのコーナーでは3つのアプローチで光の正体に迫りました。
 
まずは電球とNUMAPの新兵器(?)オリジナル分光メガネを使った実験から。
下の写真の中に並んでいる電球は右からそれぞれ白熱電球、蛍光灯電球、LED電球です。
右端に置いてあるのが分光メガネで、レンズ部分が1ミリに500本程度の溝が彫ってある回折格子と呼ばれるシートでできています。
 
 
これらの電球を分光メガネをかけて観察すると、光の性質により白色光が分けられ虹が見えます。
白色光がいろんな色からできていることを実感していただくとともに、3種類の光からできる虹の様子の違いについて解説しました。
 
一通り虹を観察したらお次は「メガネで実感!光の3原色」コーナーへ。
自動で6色変化するLEDライトを分光メガネで見ていただき、光の3原色(赤・青・緑)の組み合わせでどんな色ができるのかを目で見て実感していただきました。
 
最後に用意したのは「見えない光大発見」コーナーです。
赤外線が発見されたのは1800年。
現代のような赤外線カメラなんてものはもちろん存在しません。
目に見えない光がいったいどのように発見されたのか?
当時の実験をNUMAP流に再現しました!
 
 
上の写真はプリズムによって太陽光が分けられ、箱の中に虹が見えている様子です。
白いコードの先に温度計がとりつけられています。1つの温度計を光が来ていない部分、もう1つを同じく光が来ていないと思われる虹の赤色部分の外側に設置します。
待つこと数秒・・・赤色の外側部分に取り付けた温度計だけ急激に温度が上昇しました!
当時の科学者ウィリアム・ハーシェルはこの温度上昇によって赤外線を発見したのです。
 
発見原理をご存知の方でも実際に温度が上昇するのを見ると「ほぉー!」と感心してくださり、実験装置(ダンボール製・自作)を用意したかいがありました。
途中雲が出てきて心配しましたが、ほとんどの皆様に「見えない光を大発見!」していただくことができ嬉しく思います。
 

紫外で見つけた! 目には見えない花模様


こちらのコーナーでは、紫外線の世界で見える光景について、身近な植物を題材に紹介しました。
 
植物とモニター
 
会場に準備した植物の紫外線写真をモニターに映し、ご自身の目で現物と比較してもらいました。
皆さん、普段見知っているのとは違う植物の様子にしげしげと見入っていらっしゃるようです。
 
紫外線コーナー
 

キミの秘密を照らし出せ! 時を超えてロックオン


こちらのブースでは、「文系の研究と赤外線」をテーマに美術史学と文献史学の観点から解説を行いました。
 
まずは美術史学と赤外線について、スタッフが描いた絵を例に見てみましょう。
 
可視光(絵画)
 
これを赤外線カメラを通して見ると…?
 
赤外線(絵画)
 
何と、下描きの線が透けて見えます!
この原理を用いることで、劣化してしまった貴重な絵画を修復したり、作者の正体や作品製作の過程を明らかにしたりといった研究が進んでいることを、実際の事例を出しながら説明しました。
 
次に文献史学と赤外線の話を。
今回は、文字などを書くために用いられた「木簡」と呼ばれる道具のレプリカを用意しました。
 
可視光(木簡)
 
左側のように文字が読めなくなった木簡も、赤外線カメラの力を借りれば、この通り。
 
赤外線(木簡)
 
これも先述の絵画と同じく、汚れに隠れて見えなかった文字が透けて見えます。
この文字列からどういったことが分かるのか、木簡の内容が明らかになることが歴史研究にどのような意義をもたらすかについて解説しました。
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