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名古屋大学オープンキャンパス2015

実施概要


名古屋大学オープンキャンパスに合わせ、大学博物館ガイドツアーを開催しました。
例年よりも一人当たりのトーク時間を長めにとって、ひとつひとつの展示を丁寧に解説しました。
解説担当スタッフがガイド内容や感想などを報告します。
  • 実施日:8月7日、10日、11日
  • 会場:名古屋大学博物館
  • 参加者数:約70名(3日間4回)
  • 参加スタッフ:5名(3日間)

当日の模様




昨年度に引き続き、『蟲魚図譜』(ちゅうぎょずふ)とその作者である奈良坂源一郎先生についてガイドしました。
今年度は愛知医学校の教員であった奈良坂先生の人物像や、『蟲魚図譜』制作に至った背景について特に丁寧に解説するよう工夫しました。

博物館に展示されている生前の奈良坂先生の写真には、ドクロや顕微鏡、標本箱など、
解剖学者であり博物学者でもあったと言える奈良坂先生を象徴する物が写っています。
今回のガイドでは、写真を拡大したパネルを参加者に見せ、会話をしながら奈良坂先生の職業について考えてもらいました。
『蟲魚図譜』とともに、生前の様子をうかがうことが出来る写真にも目を向け、
奈良坂先生の人物像についてイメージを膨らませてもらえればと思います。 (M1 北山)




石器に関する展示の解説を担当しました。
参加者が、石器に隠されたエピソードを思い浮かべることができるような解説を心がけました。
石器は、人類の祖先がどのように進化してきたのかということを証明してくれる大切なもののひとつです。
石器は言葉を発しませんが、こちらからしっかりと観察をすれば自然に何かを教えてくれることもあります。
解説では、まずはじめに、どのような形をしているのかなどの質問をして参加者に石器を観察してもらいました。
それから、参加者とのやり取りで明らかになった石器の特徴が何を表しているのかということを説明していきました。

石器を通じて、昔の人類が遺したものを調べる研究や、
博物館に置いてあるものを観察することの楽しさを少しでも感じてもらえたらと思います。 (M1 梶川)





「名大キャンパスの整備に社会がどのような影響を与えてきたか」というテーマで話しました。
まず、名古屋帝国大学設立時の日本社会の状況が名大キャンパスの整備を遅らせたことについて話しました。
次に、より具体的な例として、古川図書館(現在の名大博物館の建物)建設のための地元実業家による寄付について話しました。
博物館内のいくつかの展示パネルはこれらの話題について解説していますが、それらはばらばらの場所に置かれていました。
そこで、上記のテーマについて短い時間で説明するため、展示パネルの代わりに自作のスケッチブックを見てもらいながら話しました。

トークのまとめでも言ったことですが、記録や出来事やエピソードを調べていくことが面白いのは、大学と社会の関係を少しずつ具体的にイメージできるようになるからだと思っています。
また、このような面白さは、仮説を実験で確かめてみたり、珍しい物質を実際に手で触ってみたりするような面白さとは違うとも思います。
例えば、名大が創設されたばかりの頃の運営資金の収支内訳などは、大学運営の実情を知る上で興味深いです。
トークの手ごたえとしては、高校生にもこうした面白さを感じ取ってもらえたような気がしています。 (D2 清水)


今年度も3日間で多くの方にご参加いただきました。
ご参加ただいたみなさま、ありがとうございました!

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